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大津 巌; 熊丸 博滋; 村田 秀男; 久木田 豊
JAERI-Research 96-038, 55 Pages, 1996/07
定圧式CAESシステムは、余剰電力を蓄えるエネルギー貯蔵法として実現を期待されている。このシステムでは、ガス圧を調整する圧力隔壁である通水抗で水に溶けたガスが発泡し、圧力隔壁としての効果が低下するため、これを定量的に予測する必要がある。原研、東大、電力中央研究所及び(株)清水建設の4者は、この水-溶存ガス二相流に関する共同研究を行った。本報告では、CAESシステムの構成、同システムで特徴的な流動現象及び模擬実験装置の概略を紹介すると共に、発泡速度等直接計測が困難な物理量の推定方法を考察した。均質流及び二流体モデルの基礎方程式に基づく推定方法を検討した結果、1)時間的に定常な流動状態での実験、2)断面平均ボイド率の計測、3)気相流速の直接計測、4)溶存ガス濃度の複数点での計測が今後の課題となることがわかった。
熊丸 博滋; 大津 巌; 村田 秀男; 久木田 豊; 秋山 守*; 大橋 弘忠*; 後藤 正治*; 田中 伸和*; 大川 富雄*; 小野 勇司*; et al.
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.669 - 674, 1996/00
シャフト高さ約1000m、内径約3m、水-空気系のCAESシステムを模擬した、シャフト高さ約25m、内径0.2m、水-炭酸ガス系の実験装置を製作した。本装置を用いて合計15実験を実施した。高炭酸ガス濃度(~0.4MPa)、中水注入流速(~0.5m/s)の実験においては、下部リザーバへのガス貯気中(すなわちシャフトへの水注入中)のシャフト内ボイド率が全実験中最大となった。この実験はCAESシステムにおける最も厳しい状況に対応していると考えられるが、ブローアウトは発生しなかった。また、高濃度(~0.4MPa)、極高注入流速(~2.5m/s)の実験では、ガス貯気停止後、シャフト内に残存した過飽和炭酸ガス溶存水より急激に発泡が生じ、ブローアウトが発生した。しかし、実験装置での~2.5m/sは、CAESシステムでの~100m/sに相当し、非現実的流速である。
黒柳 利之; 岩村 公道
JAERI-M 7808, 173 Pages, 1978/08
軽水炉の出力-冷却不整合(PCM)時の過渡沸騰現象の概要を知るため、常圧大気開放ループによる流量低下過渡バーンアウト実験を実施した。テスト部は、外径10mm、長さ800mmのステンレス鋼管を直流直接通電加熱し、外側に内径14mm、または12.8mmのガラス管を設置した環状流路である。実験範囲は次の通り、熱流束0.65~1.3610kcal/km、入口温度30~76C、初期質量速度2.4~6.010kg/km、流量減少過渡時間0.1~68sec、流速減少率0.29~752cm/sec/sec。本報告書は、昭和53年3月~6月に実施した上記実験の過渡記録および写真撮影結果をまとめたものである。